お正月におせち料理を食べる 日本人として知っておきたい理由

早いもので今年も10月となり、朝と夜の空気はめっきりと秋らしくなってきました。食欲の秋、創作の秋、読書の秋、色々あるので、どのようにして秋を楽しもうかと考えていると、街中やネット上ではおせち商戦がスタートしているではないですか!秋が始まったばかりなのにビックリしました(笑)。

ところで「お正月はおせち料理を食べる」ことが当たり前のようになっていますが、理由があるのでしょうか? 少し調べてみたら、お正月におせち料理を食べる深い理由がありました。

理由① 自然の恵みに感謝する御節供だった

おせち料理の歴史は意外にも古くて、起源は弥生時代まで遡ることになります。

当時は、お正月だけに食べる料理ではありませんでした。1月1日、1月7日、1月16日、5月5日、11月最終日の年5日間の宮中行事「五節会」に、供える料理「御節供(おせちく)」だったようです。江戸時代になって庶民にも受け入れられるようになると年5日の中で一番めでたいとされる1月1日に食べるようになったようです。

1年でもっともおめでたい日に自然の恵みに感謝する為に供えられた料理を頂くということですね。

もともとは収穫物の報告や感謝の意を込めて、その土地の収穫物をお供えしていたようです。暮らしや食文化が豊かになるに従い、山の幸や海の幸を盛り込んで、現在のおせちの原型ができたと言われています。

理由② かまどの神様に休んで頂くため

正月三が日はかまどの神様に休んでもらおうという気持ちの表れや、主婦を家事から解放するという意味も含まれています。

そのために保存の効く食材が中心のものになったといわれ、実際におせち料理の内容を見てみると、基本的に生ものは入っておらず、比較的日持ちする料理が多いです。日持ちする料理を大晦日に沢山作っておくことで、お正月は主婦も家族の食事の心配をすることなくユックリ休めるということです。

おせち料理の具材

最近は定番以外にも洋風や中華風など、おせち料理の具材のバリエーションは幅広くなっています。おせち料理の定番とされている具材には、五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄など人々の願いも込もっています。おせち料理に使われる代表的な具材の意味を確認してみましょう。

海老:長寿
数の子:子孫繁栄
キンカン:金運を得られるように
伊達巻:伊達という言葉には人目を引く、お洒落といった意味があり、晴れの料理を演出するため
栗きんとん:財運、金運
紅白なます:お祝いに使われる水引のイメージ
たたきごぼう:安泰に暮らす、無病息災
八幡巻き:安泰に暮らす、無病息災
いくら:子宝に恵まれるように
鯛:「めでたい」という語呂
昆布巻:「よろこぶ」の語呂

まとめ

定番とされるおせち料理には、ことし1年を幸せに暮らせるようにとの願いを込められていました。「おせち料理はあまり好きではない」「お正月でもいつも通りの食事がしたい」という方でも、こうした意味を知ると縁起を担ぐ意味でも毎年食べたいと思いませんか。

自分は豪華でなくても良いので、定番のおせち料理を用意したいと思います。自然の恵みに感謝してお供えしてから、幸せを願っていただくことにします。こういった日本の行事で良いものですね!