正しい文章、魅力的な文章、面白い文章を書きたいという願いから本書を手にしました。構成が講義スタイルとなっているので堅苦しい感じなのかなあと思ったのですが、読んでみると思わず笑ってしまうユニークな例をつかって解りやすく書かれています。『嫌われる勇気』の著者でもある古賀史健さんが「駆け出しライターだったころの自分」向けて書いた本書でレベルアップできました。
目的は「読者を動かすこと」
本書を読むまでは「良い文章を書くこと」をゴールと勘違していましたが、確かに「読者を動かす」が目的でした。読み手の心を動かすことができ、あわよくば行動してもらえれば、嬉しいという気持ちが自分の中にあったことを再確認できました。
意見や主張が必要
読み手は必ず「この人はなにが言いたいのだろう?」と考えながら読んでくれています。意見や主張といった書き手の思いを伝えてないと読み手は動かせないのです。
説得ではなく納得
でも、意地でも自分の主張を認めてさせるという気持ちがあると、それは説得になります。説得は書き手から読み手へ思い(パワー)が発生するので、読み手はから書き手へも反発(パワー)が発生します。内容が良くても、読み手は正しいだけでは動いてくれないのです。
読まないというカード
主張が正当であって、文章がとても論理的であったとしても、読み手に「読まないというカード」を選択されてしまったら終了です。しかも、読み手は早い段階で、読むか読まないかを決めているので、書き出しの文章で読み手を惹きつける必要があります。その一つとして、自分事として捉えてもらうことが大切です。
特定の誰かに手紙を書く要領
多くの人に読んでもらいたいという思いから、万人向けの文章にしてしまう。それでは読み手にとっては自分事にはならないので納得してもらうことはできないのです。特定の誰か一人に向けて手紙を書くように文章を書くことが必要なのです。
まとめ
本書は110ページあまりと少ない量ですが内容は非常に濃くて、書くためのテクニックと、書き手としての思考についてびっしりと書かれています。自分には非常に有意義な本となりました。本書に出会えたことに心から感謝しています。
おまけ
本書(税別500円)はシャツの胸ポケットに入ってしまうほどのサイズなので気軽に持ち運べます。
