『10倍早く書ける 超スピード文章術』(上阪 徹さん著) 伝えることを目的とした素材を集めて組み立てる素材文章術

報告書・企画書・メールなど、「書く必要があるのに、どうしても書けない・・。」ということは、誰もが一度は経験したことがあると思います。パソコンに向かったけど、手が動かずに、時間だけが刻々と経過してい状況は本当に嫌なものです。

これを解決するための方法と手順が解かりやすく書かれているのが、本書『10倍早く書ける 超スピード文章術』でした。

文章をつくる材料である「素材」があれば、誰でも簡単に文章をつくれるのです。

書けない理由

本書は書けない理由の一例として、下記を記載しています。

上手く書こうとする

学校教育の影響もあって、文章を書く見本を文学書や小説とする人が多いのです。そうすると「うまい文章」を書くことを目的としてしまいます。「伝えること」が目的であることを認識する必要があるのです。

「素材」の準備がない

作者は文章を書く時の内容を「素材」と呼んでいます。小説家や新聞記者でも素材がないと文章は書けないのです。

正しい文法で書こうとする

「伝えること」が目的なので、正しい文法や起承転結などは意識する必要はないということです。

素材を集める2つのポイント

では、どの様に「素材」を集めたら良いのかという思いがあると思います。

真の目的を決める

「表面上の目的」を掘り下げて、読み手に本当は何を感じて欲しいのかの「真の目的」を決めます。

具体的な読者をきめる

身近な人で良いので具体的な読み手1人を決めます。万人向けの文章は誰にも伝わらないのです

書くためのステップ

素材文章術として大きく5ステップがあります。

1.書く目的と読者を定める
2.素材を集める
3.素材を組み立てる
4.一気に書ききる
5.解かりやすい文章にする

文章を書くときに、4.からはじめていないでしょうか。書くことが決まった瞬間から、素材を探すためにアンテナを立てておく必要があるのです。

「相場感」を知る

作者は読み手が興味を持っている状況をつかむことを、「相場感を得る」と呼んでいます。読み手が知りたいことをつかめば、何を素材にするのが良いのかを知ることができるのです。

まとめ

文章をつくる人にとっての素材とは、料理人にとっての食材、大工にとっての建材と同じなのです。腕の良い料理人でも食材がければ、何もつくることはできないのです。

料理は食べること、家は住むこと、が目的であって、つくることが目的ではないのです。

本書を読み終えた直後から、うまい文章を書けるようにはなりません。しかし、書くことへのストレスがなくなり、一気に書ききるための術を習得できる一冊でした。

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