『日本の結界』陰陽師が明かす秘密の地図帳(安倍成道さん著) 現代の日常生活にも生き続いている結界

陰陽師と言われると「安倍晴明(あべの・せいめい)」という名前を思い浮かべる方が多いと思います。

本書は安倍晴明の血を受け継いだ水の家系第27代陰陽師である「安倍成道(あべの・なりみち)」さんが、陰陽師、結界、封印呪、結界の使われ方などについて、わかり易く解説頂いています。

「陰陽師」「結界」と言われても、映画やドラマくらいしか接点のなかった人も、本書を読み終えた時には興味が湧いて来ていると思います。ご紹介します。

基本情報

著者

安倍成道
(水の家系第27代陰陽師)

価格

税別1,400円

発行所

駒草出版

陰陽師五家

陰陽師の後継は血ですので、晴明の2人の息子である「吉平(よしひら)」と「吉昌(よしまさ)」が跡を継ぎました。

実際は晴明の子供は2人だけではありませんでした。というのは晴明には5人の側室がいて、それぞれに子供をもうけていました。

その側室のこどもたちの子孫が「陰陽師五家」となりました。

木の家系
火の家系
土の家系
金の家系
水の家系

本書を書かれた安倍成道さんは水の家系第27代陰陽師です。

結界とは

「区切るもの」で、「一線を引く」ことが始まりであったそうです。何と何の間の一線かというと、神様の領域と人、彼岸と此岸、向こうとこちら、などになります。

日常生活の結界

身近な存在では「箸置き」になります。

食事は生きていくために与えられた神様からの賜り物です。食べ始める前の食事は神様の領域に存在する神様のものなのです。それを「頂戴します」や「いただきます」と言ってから箸をとります。

神様との間にある結界を外して、自分のものにするということです。

封印呪

最初にできた結界が「封印呪(ふういんしゅ)」です。何かを封印するための呪(術)です。

最初に封印されたのは神様

一言主(ひとことぬし)は、ひとことでものごとを決められる神様です。「病」と言われた人は病気となり、「死」と言われた人は死に、「財」と言われた人はお金持ちになります。

ある時に良い言葉を言わなくなった時期があり、当時の人たちは困ったそうです。更に悪いことに神様は、どこへでも自由きままに移動できるのです。

そこで、陰陽師が結界を張って、とある場所に封印したそうです。その後は人々が手厚く祀ると、その場に定着するようになります。”とある場所”とは神社です。

播磨から東側の結界

陰陽師が神様や霊的なものに対して張ってきた結界について、解説つきで書かれています。知識がなくても、興味を持って最後まで読み切れます。

播磨から西側は播磨家が活躍しているので、晴明も子孫もノータッチということなのです。陰陽師の間では、安倍晴明と蘆屋道満(あしや・どうまん)は親友だったそうです。

まとめ

結界というと陰陽師のような能力のある人たちだけのものと理解していましたが、日常生活でも取り入れていく必要があると認識できました。

土地を手に入れようとする人、家を建てようとする人、引っ越す人、商売を始める人などは、行動に移す前に知っておいた方が良いことがありました。

サブタイトルにあるように、「えっ!そうなの!」っということも書かれていますが、生きていくには「陰」と「陽」は、どちらも必要であり、バランスが大切であること、を学べるオススメの一冊です。

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